姫路紹介<拾壱> 姫路城ハートの石垣
姫路城の石垣の中に、ハートの形をした石があります。それをスマホなどで待ち受けにするといい事がおこるとか……そんな話を耳にしました。
ハートの石があるのは、二の丸上山里曲輪の入口、ぬの門の前です。隣には鏡石と呼ばれる人面石があるので、姫路城に立ち寄られた際は、一度見に行ってみて下さい。
姫路城の石垣には、石臼、石仏、石棺、灯篭など、様々なものが石垣に再利用されています。昔から、姫山は古墳など有力者の所有地でしたから石棺という大きな石が使われたそうです。個性的な石が多い中一番有名なのは「姥ヶ石」と呼ばれる石臼です。
池田輝政築城前、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)がこの地に天守閣を築きました。
中国地方の覇者・毛利氏を攻めていた当時の織田軍は、毛利攻めの拠点に黒田官兵衛の居城だった姫路城を拠点にしたからです。官兵衛は秀吉に城を明け渡し、秀吉が姫路城を改築しました。
改築にあたり、秀吉は困った事態に直面します。石垣の石が集まらないのです。
「何かお役に立てないだろうか?」
秀吉のことを聞いた、ある貧しいおばあさんが城下にいました。いろいろと頭を悩ませますが、なかなか妙案が思いつきません。ふっと、家の隅にあった古くなって欠けてしまった石臼が目に入ります。
「これはお役に立つだろうか?」
おばあさんは石臼を秀吉のもとに持って行きます。
「ありがたい」
秀吉はたいそうこのことを喜びました。秀吉の喜びっぷりはたちまち城下に伝わりました。すると城下の人々はこぞって石を寄進したそうです。
おばあさんが寄進した石は「姥ヶ石」と呼ばれ、乾の小天守の北側の石垣で見ることが出来ます。
姫路城の石垣は、場所によって作られた年代が異なります。是非実際に目で見てその違いを確かめて見て下さい。